北陸自動車道全線開通30周年
中日本高速道路株式会社 執行役員 金沢支社長

記念対談石川篇 記念対談石川篇

米沢電気工事株式会社 代表取締役会長
森島 貴代治氏
米沢 寛氏氏
北陸自動車道全線開通

北陸の未来に向かって
ともに、つないできた道がある

設立76年の米沢電気工事株式会社を牽引する米沢寛氏(代表取締役会長)と中日本高速道路株式会社の森島貴代治(執行役員 金沢支社長)が、2024年2月に誕生したばかりの「金沢ゴーゴーカレースタジアム」にて、インフラとこれからの北陸について語り合いました。

暮らしぶりや働き方を
変えてきた道

森島北陸の大動脈である北陸自動車道は、おかげさまで全線開通から30周年を迎えました。

米沢最初の区間(小松IC~金沢西IC)が開通したのは、私が20歳の頃でした。もともと車が大好きだったので、高速道路の直線を走りに行ったものです。現在に比べると随分と短い距離なのですが、これがもっともっと延伸するとどうなるのだろうと想像していました。

森島現在の北陸自動車道の全長が474.2kmであるのに対し、最初のこの区間はわずか22.7㎞でした。

米沢電気工事株式会社代表取締役会長 米沢寛氏

米沢米沢電気は、電気設備、送電線などの電力施設関連の工事、電車線設備の保守管理など、電力に関するさまざまな分野を手がけてきました。電気に関する工事には、夜中の限られた時間にしか行えない作業が数多くあります。その昔は、工事のために泊まり込むのが当たり前でしたが、高速道路ができたことで、社員が毎日家に帰れるようになったのを覚えています。

森島そのようなエピソードを伺うとインフラが地域の生活に与える影響の大きさを痛感します。

米沢家庭にとって、家族が家に帰ってくるかこないかというのは大きな違いですよね。だから、北陸自動車道は、北陸に生きる人々の働き方にも大きな変化をもたらしてきたと実感しています。

森島北陸自動車道が当初からほぼ全ての区間で4車線で開通できたのは非常に良かったと思います。

中日本高速道路株式会社執行役員金沢支社長 森島貴代治氏

米沢レンタカーも、ゴルフ場などのエンターテイメント施設も、北陸3県を一つのエリアとして考えると、観光の幅が広がり、楽しみ方が多様化します。かつては、北陸の三県はそれぞれと言われましたが、高速道路の整備により北陸の一体感は一層強まってきました。

森島弊社では、高速道路を利用する観光客向けに、周遊プランを提供しています。一定の期間内を定額で自由に乗り降りできるお得なプランです。これにより、観光客はさまざまなエリアを効率的かつ経済的に巡ることができ、広範囲にわたって楽しんでいただけます。ぜひ、多くの人にご活用いただき、北陸の魅力を存分に味わってほしいですね。

石川、そして
北陸を盛り上げたい

メインスタンドから望む金沢ゴーゴーカレースタジアム
メインスタンドから望む金沢ゴーゴーカレースタジアム

森島2月に、この素晴らしいスタジアムが誕生しました。米沢会長は社業の枠を超えて、プロサッカークラブ「ツエーゲン金沢」の運営をされるなど、多岐にわたる事業を展開されています。その情熱の源にはどんな想いがあるのでしょう?

米沢経済界が掲げてきた「北陸は一つ」という理念を、もっと現実のものにしていきたいという想いがあります。そのきっかけの一つが、北陸をもっとスポーツ文化の豊かな地域にすることです。サッカーは、競技人口や観戦者の裾野の広いスポーツです。今、このスタジアムに来場される方の平均年齢は50歳前後なんです。サッカーファンだけでなく、子どもを連れた親やおじいちゃんやおばあちゃんなど、本当に幅広い世代の方がいらしてくれています。

スタジアム内のフィールドにて
スタジアム内のフィールドにて

森島ここでの観戦をきっかけに、北陸を巡る方は確実に増えていきますね。

米沢そうですね。このスタジアムを訪れる人の多くが車で来場されますが、試合を見てそのまま帰るわけではありません。スポーツを起点に、北陸のさまざまな場所に立ち寄る人が増えていってほしいですね。そのためには、高速道路をいかにご利用いただけるかが重要です。

森島私たちも、北陸を拠点とするスポーツチームが試合を行う北陸ダービーの際には、SA(サービスエリア)などでの盛り上げに取り組んでいきます。

「あってあたりまえ」を守る

中日本高速道路株式会社執行役員金沢支社長 森島貴代治氏

森島北陸のインフラを支えることは、自然災害との闘いでもあります。今年の1月1日の能登半島地震では、幸いにも高速道路への被害は最小限であったため、自衛隊や医療関係者などにいち早く金沢まで来ていただくことができました。復興への道のりは続きますが、高速道路が今後もその一役を担えればと思っています。

米沢私たちが向き合う電気も、決して絶やしてはいけない社会の生命線です。あの地震の後、多くの電気自動車を電源として被災地に届けました。電気が点いた瞬間、人々の顔にも笑顔が灯り、多くの社員が自分たちの仕事が暮らしに直結していることを肌で感じていました。根底にはいつも、コーポレートスローガンである「都市(まち)が元気だから 会社も元気」という想いがあります。

米沢電気工事株式会社代表取締役会長 米沢寛氏

森島高速道路は、旅する道であるだけでなく、人を助けるための道でもあることを再認識しました。この度、北陸自動車道は全線開通30周年を迎えましたが、道路も30年の時を重ねて一部老朽化が進んでいます。北陸の道路は、海からの潮風を浴びるので内陸にある道路よりも老朽化が進みやすい傾向にあります。リニューアル工事でご不便をおかけすることがありますが、これからも、「あってあたりまえ」を守り抜いていきたいと思います。

Others
その他のインタビュー